よい人であること

先日(平成30年9月1日）の感謝祭でお話した内容「よい人であること」をまとめました。

かつては、がんこじじい、がき大将、不良があちこちにいました。ところが、最近、だれもがいい人のような感じです。インターネットの普及、SNSの活用のせいかもしれません。だれかの勘に障るようなことを出せば、わずかのことでも多くの人から叩かれます。世間では、よい人ばかりに見えますが、自分の保身を優先している人たちです。

先日、東條英利さんからお話を伺いました。戦時中に内閣総理大臣となった東條英樹さんの曾孫さんです。英樹さんは、周囲の人たちには、さざえさんの漫画のなみへいさんのような感じに受け止めていたようです。頑固者だけれど、だれに対しても心遣いのできる人だということです。ですから、天皇陛下にも信頼されていたのです。戦争の回避をめざされていました。実際には戦争をすることになったことで、責任もすべて自分にあると言われるのです。義人だと分かります。

よい人にも、「良い人」「善い人」義(よ)い人」がいます。自分にとって都合の良い人が「良い人」です。「善い人」は、道徳的によい人です。「義い人」は、誠実な人のことです。

良い人は、自分に小遣いをくれる人です。たとえ泥棒をしていても。人さまの悪口を言いながら、親しくしてくれる人ですが、別のところでは、自分の悪口を言っていたりします。目の前のことでは、都合のよいこともあるのですが、裏切られることもあるのです。そうした人が、友人、家族、恋人、近隣の人、いずれであっても、芳しくないことが生じやすいのです。

アブラハムは、旧約聖書の創世記に出てきます。「義の人」とされます。神に、アブラハムの子孫が地上に数えきれないほどになると言われながらも、妻との間に子供がいないままに年老いてきます。ところが、妻が100歳になって子供を授かります。イサクと名付けました。大切な子供です。神は、生贄にするように言われます。アブラハムは、彼を連れて山に行き、言われたとおりにしようとしたときに、天使が現れ、それを止めたのです。アブラハムは、神に認められたのです。

自分自身が、ただの良い人になってご都合主義にならないように、そして、できることならば、義人になるのです。周囲の人たちの不具合を見ながら学び、また、義の人に近づくようにするのです。