このたび、お祓いの場に 六曲一双の人物散らし屏風 をお出ししております。 例年は金屏風を用いておりましたが、今年は趣を変え、江戸時代後期の町絵師による作品 を飾らせていただきました。ご寄贈いただいた大切な文物であり、心より感謝申し上げます。 描かれているのは、1月から12月までの人々の暮らし。 座したとき、ちょうど目の高さに広がる日常の情景は、四季の移ろいとともに生きる江戸の人々の姿を、やわらかく、どこかユーモラスに伝えてくれます。 これは、いわゆる鑑賞のために「構えて見る絵」とは少し異なる世界です。 今の感覚で言えば、部屋に飾るユーモラスなイラストの壁面 のような役割に近いものでしょう。 当時、このような屏風は 寺院の客間、商家の座敷、文人趣味の寄合の場などに置かれ、 人々が語らいながら、自然と目にし、話題にし、楽しんでいたと考えられています。 私どもが所蔵する狩野派や円山派の作品とはまったく異なるジャンルであり、 いわゆる「人物百態図」系に連なる、生活の中で息づいた絵画文化です。 気の置けない人々が、屏風のそばで笑い合いながら眺めていた情景が目に浮かびます。 この種の作品は、江戸後期に寺院・商家・地方の知識層に人気があったともいわれています。 建国記念の日に執り行う 幸運祭 の後も、20日頃まで披露 いたします。 お祓いの前後のわずかな時間ではありますが、どうぞ江戸の空間文化に触れ、心なごむひとときをお過ごしいただけましたら幸いです。
修生会
住所 兵庫県姫路市白浜町甲2379
電話番号 079-245-0780
アクセス 白浜の宮駅より徒歩10分