御魂抜きという重い仕事 ――お守りが語る、人の心の姿

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御魂抜きという重い仕事 ――お守りが語る、人の心の姿

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2026/03/11 御魂抜きという重い仕事 ――お守りが語る、人の心の姿

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神前に積まれたお守り

先日、神前でお守りとお札の御魂抜きを行った。

寒い日であった。祭場の空気は静かで、吐く息が白く見えるほどである。その前に、返納されたお守りやお札がうずたかく積まれていた。

幸運祭で授与したものが、一年を経て戻ってきたのである。

私は毎年この作業を行うが、いつも最初に感じるのは、やはり独特の圧倒感である。

単なる紙や布の塊ではない。そこには人の願いがあり、祈りがあり、時には不安や執着までが宿っている。

神前に座り、その山を前にすると、静かな重さのようなものを感じるのである。

幸運祭で授けられる守り

当会では一年の始まりの時期に、幸運祭を行っている。

参拝された方はお祓いを受け、そしてその年の運気を占う。運のよい人もいれば、そうでない人もいる。場合によっては、その年に起こり得ることを、やや具体的にお伝えすることもある。

その時、多くの方が自分のためのお守りを求めていかれる。

さらに家族の分を持ち帰る方も多い。

お守りの種類もさまざまである。健康のお守り、癌封じのお守り、事故除け、交通安全。

人々の願いは多様であるが、実際には健康や事故に関わるものがとても多い。

人は誰しも、身体の不安や日常の危険から守られたいと思うものである。

その祈りを受けて、私たちはお守りを授与する。

お守りが語る一年

一年後、それらのお守りは役目を終えて戻ってくる。

しかし、御魂抜きをしていると、実にさまざまな状態があることに気づく。

あるお札は、まだ強い力を保っている。
祈りの気配がはっきり残っているのである。

反対に、ほとんど力が落ちてしまっているものもある。

さらに、ときには持ち主の念のようなものが強くこもっているお守りもある。

御魂抜きをしている最中に、咳き込むことがある。あるいは、指先が痛むこともある。

こうした感覚は、長くこの仕事をしている者でなければ分かりにくいかもしれない。

しかし、神前で祈りながら触れていると、お守りはただの物ではなく、その人の一年の心の軌跡のように感じられるのである。

人の心が守りを消耗させる

お守りの状態を見ていると、ある傾向があるように思う。

不安や執着が強い人のお守りは、消耗が早い。

あるいは、その人の念が濃く宿っているように感じることがある。

守られたいという思いが強すぎると、かえって守りの力を消耗させてしまうように見えるのである。

また、うまくお守りを使っている人のお守りも、やはり消耗している。

守りの力が働いた結果なのだろう。

それはそれで自然なことだと思う。

興味深いのは、ほとんど力が落ちていないお守りである。

それを見ると、持ち主があまり努力していないのではないかと感じることもある。

守りとは、ただ持っていればよいものではない。

人生の中で動き、願い、祈りながら使われていくものなのである。

守りとは何か

お守りは魔法ではない。

ただ持っていれば、すべてがうまくいくというものではないのである。

守りとは、人が神に向かう心の中で働くものだ。

人が自分の不安を抱えながら、それでも神に委ねて歩く。

その時に守りは働く。

しかし、人が守りを握りしめて不安を増やしていくと、その力は疲れてしまうように見える。

人はつい、自分の力で安心を確保しようとする。

けれども信仰とは、最後には手放すことでもある。

守られることを願いながらも、その結果を神に委ねることである。

御魂抜きの祈り

御魂抜きは、決して軽い作業ではない。

お守り一つ一つの役目を終わらせ、そこに宿った祈りを神にお返しする。

それは静かな祈りの時間でもある。

一年間、人々の暮らしのそばにあった守りが、再び神のもとへ帰っていく。

その光景を見ながら、私はいつも思う。

人は多くの不安を抱えて生きている。

しかし、その不安を抱えたまま神に向かうことは、決して弱さではない。

むしろ、そこから信仰は始まるのだと思う。

お守りは、その歩みをそっと支えるためのものである。

だからこそ、必要以上に握りしめるのではなく、神に委ねる心とともに持っていただきたい。

御魂抜きの祈りを終えるたびに、私はそのことを改めて感じている。

 

 


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