「層」という視点を持たなければ見えない日本精神

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「層」という視点を持たなければ見えない日本精神

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2026/01/28 「層」という視点を持たなければ見えない日本精神

【連載】日本人の心はなぜ「層」を持つのか

― 重なり合う信仰・歴史・精神構造を読み解く ―

第1回 「層」という視点を持たなければ見えない日本精神

私たち日本人の心の在り方を語ろうとするとき、しばしば不思議な感覚に出会います。 一つの考え方で割り切れない。 一つの信仰体系だけでは説明できない。 矛盾しているようでいて、どこか自然に共存している。
神社に手を合わせながら仏壇にも向かい、先祖を敬いながらも特定宗派の教義に縛られず、自然に畏れを抱きつつ、近代合理主義も受け入れる。 外から見れば「混ざっている」「はっきりしない」と映るかもしれません。 しかし内側から見ると、それは混乱ではなく、重なり合っているのです。
本連載では、この日本人の精神構造を「層」という視点から読み解いていきます。
それは単に宗教の話ではありません。 信仰の形、歴史の受け止め方、権威への感覚、祖先観、自然観、さらには心の在り方そのものにまで関わる問題です。日本人の精神は、ある時代の思想が前の時代を完全に否定して塗り替える、という形で形成されてきたのではなく、新しいものが古いものの上に重なり、消さずに抱え込みながら形作られてきたという特徴を持っています。
この「消さずに重ねる」という在り方は、日本文化の寛容さの源でもあり、同時に日本史や思想史を理解しにくくしている要因でもあります。 一神教的な整理法、単線的な歴史観、思想の対立構造だけでは、日本の精神史はどうしても説明しきれません。
たとえば――
  • 神道と仏教の関係
  • 天皇観の変遷
  • 祖霊観の持続
  • 歴史書の語る「正史」と人々の持つ歴史感覚
  • 祓い・清めという発想の深層
これらはそれぞれ独立した問題のように見えますが、実はすべて「層構造」という視点で貫いて理解することができます。本連載は、その見えにくい構造を一つずつ明らかにしていく試みです。
ここで言う「層」とは、単なる重なりではありません。 地層のように、古いものが下に沈み込んで見えなくなっても、消えてはいない状態を指します。 表層に現れている思想や制度の下に、さらに古い感覚や信仰が生き続け、それが折に触れて姿を現す。日本人の心の動きには、しばしばこの深層からの反応が見られます。
現代日本の社会現象や人々の感覚にも、この構造は色濃く残っています。 合理的に説明できない「空気」の力、形にならないけれど重く感じられる伝統の影響、論理ではなく「感じ」で判断される場面の多さ。これらもまた、心が単層ではなく多層であることの表れと考えられるでしょう。
日本人とは何者なのか。 なぜ私たちは、対立よりも共存を選び、断絶よりも継続を選びやすいのか。 なぜ歴史問題や宗教問題が、単純な是非で割り切れないのか。
その鍵は、精神が「積み重なってできている」という事実にあります。
第1回である今回は、この連載全体の視座として、「層」という考え方を提示しました。次回からは、具体的な歴史や信仰の事例を通して、日本人の心の層構造がどのように形成されてきたのかを、より踏み込んで見ていきたいと思います。
この視点が共有されることで、個別の歴史問題や宗教問題が、断片ではなく全体の中で位置づけられるようになることを願っています。

 

 

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