「令和五年元旦大祭式辞」

「令和五年元旦大祭式辞」
令和五年の新春を謹んでお慶び申し上げます。

年の初めの大神様へのご挨拶を皆さまとともに述べさせていただけましたことに感謝いたします。今年一年のご守護を賜れますようわたしたちのそれぞれが志を新たにする祀りごとになったことと思います。

この三年間は、コロナ禍で不自由な日常であったことと思います。その間にも世界情勢は、変化し続け、安穏として過ごせません。そして、多くの方がそれまでと異なる枠組みで生活をとらえているように見えます。ここにご参集の皆様は、宇宙の流れを、より強く感じておられることと思います。

当会では、昨年、「ソフィー女史のタロット占い」を始めました。カードに託された宇宙の息吹を理解するよすがになることと思います。すでに多くの方にご活用いただいています。

昨年、令和四年は、五黄土星が中宮にあって、どなたもが、本来の場にありました。そのために、自在に活動できた方いらっしゃるでしょうし、悪魔と向かい合うことになった方もおられるかもしれません。それは、自らの内側に立ち現われ、自らを蹂躙します。無智で打ち勝つことはできません。叡智を駆使して本来の自らに立ち還らなければ、自らが消滅します。世情の流れを肌で感じながら、正しくあろうとしなければなりません。

昨年の干支は、壬虎(みずのえとら)でした。「動き始め、胎動」といった意味となります。ですから、次の時代を担うものを見せることになります。

昨年、世界で起こったことを見直してみます。

ロシアのウクライナ侵略がありました。世界中を巻き込み、政治的、経済的、そして日常生活に影響が出ています。その解決の糸口がまだ、見えていません。

安倍元首相が銃撃され、死亡しました。各国から弔意が寄せられました。歴代最長政権を築き、経済再生を掲げ、多くの外交実績を残されました。それらが今も影響しています。

いずれもが、今年以降の展開が気になるものです。

さて、今年の干支は、癸卯(みずのとう)です。寒気が緩み、萌芽を促します。次の生命を育む準備ができて無理のない範囲で動き始めます。ウサギのように飛び跳ねるものではないかもしれませんが、目に見えて、成果が見え始めることでしょう。

同じ干支の六十年前にはアメリカ合衆国ワシントンで人種差別撤廃の要求してワシントン大行進がありました。マーチン・ルーサー・キングのこのときの演説が歴史的名演説となりました。

干支、納音、二十八宿の一巡は、四百二十年です。ですから、今年を知るために同じ星が巡っている一六〇三年、あるいは、その前後を見ることで、今年のこと、あるいは、その後の経緯を推し量ることができるのです。

徳川家康に将軍の宣下があり、江戸幕府がはじまりました。

今に伝わる歌舞伎は、その年、出雲阿国が京都で「かぶき踊」を興業したことに始まります。

それらから、癸卯(みずのとう)の今年、兆しでありながらも成果として見えるものが現れそうです。国際的、社会的であることばかりではなく、個人的な活動、家庭のありよう、仕事でも成長の兆しが表れる年なのです。

現始大神様の下（もと）においでのおひとりおひとりに偉大な配慮と託された役割があります。そのお計らいに感謝し、努力精進されることを念願しています。

新しい年を、皆様方とともに神様のご守護を受けて、健やかで、幸多き日々に過ごさせていただくことができますように心よりお祈り申し上げます。

令和五年元日
修生会会長　中澤鳳徳