「平成三十一年元旦大祭式辞」を掲載します

「平成三十一年元旦大祭式辞」

平成三十一年の新春を謹んでお慶び申し上げます。

年の初めの大神様へのご挨拶を皆さまとともに述べさせていただけましたことに、感謝いたします。今年一年のご守護を賜れますようわたしたちのそれぞれが志を新たにする祀りごとになったことと思います。

皆さまにとって、昨年は、どのような一年だったでしょうか。お一人おひとりの運気と宇宙の流れが同期したり、ずれが生じたりします。この現実の世界は、私たちの本源、霊的な世界と密接につながっています。皆さんのお一人おひとりの魂の成長にふさわしい現実が用意されるのです。ですから、私たちは、宇宙の流れを知って、私たち自身を磨くよすがにすることができるのです。
今年の空気を知っておくことで、この地上におられるどなたもが、ご自身のあるべき姿を発揮するためのより正しい方向を知ることができます。

昨年、戊戌（つちのえいぬ）でした。戊も戌も土の要素があります。土は、ある状態から別の状態に変化する間を占めていて、変わり目であることが強く出ていたのです。

昨年、二月に先代会長であり、私の伯母が亡くなりました。また、いろいろな方面で権威とも言うべき先生方が何人も私の周囲でお亡くなりになりました。これから、新しいものが現れ始めることになるのです。

十二月に国際教養振興協会と共催で、代表理事の東條英利さんにもお越しいただき、この道場でしめ縄作りをさせていただきました。兵庫県知事、副知事、国会議員などの御祝辞、あるいは、ご参加をいただきました。感謝です。

今年、平成三十一年は、干支で言うと、己亥（つちのとい）です。上の部分、己は、整然として、下の部分、亥は、まだ種子の中であることです。その関係は、上が成長し、下を押さえることを意味しているのです。

そうした様子は、みなさんの周りで、すでに昨年の十一月ごろから出始めているかもしれません。

今年を推し量るのに、同じ干支であった六十年前、昭和三十四年を見ますと、美智子妃殿下が、当時の皇太子殿下とご成婚なさいました。今年、天皇退位特例法によって、天皇陛下が退位され、平成を終え、新たな時代になります。

一方、世情に目を向けると、六十年前には、安保、労働問題、公害訴訟、デモなど、とても荒れて見える時代でした。会社や国家への反発などがあって、それが新たな時代を作ったのです。そうした時代には、快挙とも言える個人的な活躍を見せる人たちが現れます。まだ、無名だった小沢征爾さんが、ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝しました。アジア人初のことです。ボクシングの世界ヘビー級の挑戦者は、不利と見られていたインゲマル・ヨハンソンでノックアウト勝ちしました。ヘビー級で初めてのスウェーデン人チャンピオンが誕生したのです。

私たち達の日常は、ともすれば、喧騒に満ちます。今年は、なお、みずからを見失いやすいのです。宇宙のダイナミズムを受け取り損ねてしまいます。そこから、飛び出し、新たな時代にふさわしい活躍をみせる方もおられることでしょう。祈りは、私たちの一人一人のもっともらしさを取り戻すために必要です。

瞑想の活用についての出版のお話をいただきながら、執筆に手間取り、昨年末におよそ書き終えました。今年の半ばくらいにできあがることと思います。瞑想は、祈りの、あるいは、人生の基礎体力となります。ですから、この時期にふさわしいご本を上梓させていただけそうです。皆さんにご活用いただけることを楽しみにしています。

真理に基づく人類の普遍的な価値や叡智を、私たちは、この修生会で受けることができます。当会の「大憲章」にある「日本の最高文化国家建設と世界平和に寄与することを目的と」しての活動にお集まりのどなたもが参画しているのです。

今年、当会は、結成七十周年を迎えます。七十は、数霊（かずたま）では、神秘的な数字で、探求や瞑想を意味し、正しい方向を目指すのです。

この信仰の場から、新たな世界を構築し始めることになります。一人一人の幸福は、本来のまったき姿を目指します。そこで、仲間を得て、この共同体の成長によって大宇宙に及ぶ自己を顕現させることになるのです。みなさんのご参集を期待しています。

現始大神様の下（もと）においでのおひとりおひとりに偉大な配慮と託された役割があります。そのお計らいに感謝し、どなたもがご自身の安心立命と世界人類の平和の実現のために努力精進されるものと思います。

新しい年を、皆様方とともに神様のご守護を受けて、健やかで、幸多き日々に過ごさせていただくことができますように心よりお祈り申し上げます。

平成三十一年元旦
修生会会長　中澤鳳徳